「賢者のマーケットインサイト」6月2日について

 「賢者のマーケットインサイト」6月2日


”5月の振り返りと6月の傾向” と題して、S&P500・日経225・ドル円について解説しました。

YouTubeのチャット欄にいくつ質問が寄せられていましたが、ライブ配信中に答えることができませんので、ブログで回答を掲載します。質問が理解できていないこともありますので、的外れな回答になっている場合がありますので、ご了承くださいますようお願いいたします。


質問:
NYダウも6月の騰落率が45%ぐらいですかね?


回答:

トレーダーズ・アルマナックより
上表はジェフ・ハーシュがリリースしている統計から引用しています。ダウは他の指数よりも弱く、6月は12位中11位になっています。

質問:
為替の影響ですか?東京金は…

回答:
上げていない理由はいくつかあると思いますが、日本円のシーズナルをみるかぎり、4月から10月中旬まで円高基調です。

上表はドル円ではなく、日本円通貨先物なので円ドルチャートで、チャート下段はシーズナルパターンです。


質問:
下の線はなんで将来のことが書いてあるの?

回答:
上表の日本円通貨先物のチャート下段のラインのことだと思いますが、これは過去データを分析して各週(日)の傾向をライン化しています。そのため、今年のデータに関係なく、各週の傾向は事前にわかっています。

質問:
​損切りなしで、シグナルだけの売買、市場分散とかですか?

回答:
ヘッジファンドの運用スタイルもいろいろあります。クォンツ系と言われる運用アプローチはプログラム化されているケースがほとんどです。そのなかでも各売買シグナルにストップをおかないことが多いです。但し、運用口座の未確定利益も含めて、設定している下落を超えたところで全てのポジションが閉じられるようにプログラムが組まれていることが多いです。そう言う意味では、ストップは設定されています。


直接、こちらに寄せられた質問:
損失に対して、「期待するリターン」を考えてトレードをされると言われました。どのように期待するリターンを計測されますか。ロスカットラインを決めて、シーズナルパターンに沿った取引を何年も繰り返すということでしょうか。


回答:
“期待リターン”とは、期待収益とも言われていますが、リターンは利回りで、リスクはそのばらつきである標準偏差で示されています。ここ10年間のS&P500の年率平均リターンは10%を超えています。これは、S&P500の過去の推移から導かれています。意外と見落としているのは、ばらつきである標準偏差にあたるリスクです。過去10年間のばらつきを調べなくても、昨年のように一時的にピークから20%を超える下落を体験すると平均年率リターンを超えるリスクの存在は記憶に新しいと思います。


トレードにおけるリスクは多くがストップロスとして捉えています。そのストップはどのように設定しているのか、各自が理解しているはずです。しかし、チャートポイントからストップをおく場所を設定していることが多く、トレード管理はできても投資資金の管理はされていないことが多いです。


各自が手元投資資金を管理をする際、最大リスクを20%と設定するなど、各自のリスク設定は容易にできる。しかし、そのリスク(ばらつき)は実際のトレード、運用市場のこれまでの動きに見合ったリスクなのか、調べる必要があります。


この調べるという作業が検証で、この検証作業をなくして、リスクとリターンを導く事はできません。“期待リターン “とは、トレード条件を過去データを使って検証した結果から得られるリターンがベースで、これだけ欲しいな、と言う希望とは違います。


リスクなくして大きなリターンを得る事は出来ませんが、一方で、リスクはリターンを蝕むこともあります。検証した結果をもとに各自が明確なリスクとリターンに対する定義を持つことが重要です。

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