S&P 500は連休モード入りか?
株式市場が開かれる毎日、経済新聞には株価が上がった銘柄と下がった銘柄の数が掲載されています。この2つの数の差を「日次ブレス:Daily Breadth」と言い、これが毎日積み重なると「日次騰落ADライン」になります。このラインが注目されるのは、株式市場全体の動きと連動しているからです。つまり、株価の数字を見るだけでなく、市場の勢いを測るもう一つの方法と言えるでしょう。
この「日次ブレス」を使ったテクニカル指標の一つが「マクレラン・オシレーター(MOS)」です。
MOSの見方には色々ありますが、主に2つのポイントがあります。まず、MOSがプラスだと、市場にお金が入ってきているサイン、逆にマイナスだと、お金が出ていっているサインです。次に、MOSの数値が極端に大きくなると、「買われすぎ」や「売られすぎ」の状態を表していることがあります。
個人的には、株式市場とMOSの動きが反対の時は、市場は見た目と違う動きをしていると判断しています。
例えば、今、S&P 500は過去最高値を更新していて、一見すると絶好調に見えます。S&P 500のボラティリティ指数(VIX)も11%台と、投資家たちはかなり楽観的です。
しかし、MOSは株式市場の上昇とは逆に下降しています。全体で見ると、株価が上がっている銘柄の数が伸び悩んでいるのです。ディーラーやトレーダーの間では「ロングが出来上がった」という言葉がよく聞かれます。これは、もうこれ以上買いが入ってこない、つまり天井が近いという意味です。
ただし、注意してほしいのは、市場とMOSの逆行はあくまで一つの状況であって、売買のサインではないということです。
今は、日足チャートではなく、もっと短い時間軸のチャートで上昇トレンドが下降に転じていないか、注意深くチェックする時期に来ているのかもしれません。